飼い猫になったシマちゃん [野良猫から飼い猫へ(シマちゃんの話)]
外にいた時は尻尾をピンと立ててそばに寄ってきてくれたシマちゃんだったが、家の中に入れてからはダンボールで作った猫ハウスにこもりっきりになった。トイレはすぐに覚えたけれど、人間がいる時は怖くてトイレに行けなかったようで、何度か粗相もした。
夜、人間が寝静まると、逃げ出す場所を探して家中を探検する。人間が起きてくると猫ハウスに逃げ込む。そんな毎日だった。
それでも、少しずつ馴れてきた。トイレに行く時に「にゃお~ん」と鳴いて、「こっちに来ないで」と人間に伝えるようになった。ゴハンの時にはグルグルと喉を鳴らしたりもした。用もないのに猫ハウスから出てきて、人間の近くで座るようになった。
そしてある日、ゴハンを食べ終わったシマちゃんはじっと私のことを見つめる。何か言いたいことがある顔だ。思い切って手を伸ばして頭を撫でた。一瞬、首をすくめたシマちゃんだったが、すぐに「もっと撫でて~」と頭をぐいぐいと手のひらに押しつけてきた。
やっぱり猫なんだ!
人間に甘えたい、どこにでもいる普通の猫なんだよ!
野良猫だって、飼い猫になれるんだよね!!!